花粉症について
花粉症は、花粉(アレルゲン)によるアレルギーのことで、主に目と鼻に症状が表れます。花粉が目や鼻の粘膜に接触することでアレルギー症状が表れ、毎年、樹木や草花の花粉が舞う時期に繰り返して起ります。
花粉症というと一般にはスギ花粉を思い浮かべる方も多いようですが、日本にはスギ以外にも花粉症を起こしやすい植物の花粉が一年中飛散しています。
花粉症の症状
- 鼻の症状
- くしゃみ、鼻水、鼻づまり 鼻の症状としてはくしゃみ、鼻水、鼻づまりなど風邪の諸症状に似ているので最初は風邪と間違える方も多いようです。風邪と花粉症との違いは、熱が出ないことです。
- 目の症状
- かゆみ、異物感、充血、涙目 アレルゲンが目の粘膜に付着すると、目の周りがかゆくなります。
かゆみのため擦ったり、かいたりするとさらに悪化し、結膜や角膜を傷つけ、目がゴロゴロしたり(異物感)、かすんだり、まぶしく感じたり、痛みをともない涙が出ます。この段階になると充血して目が真っ赤になることもあります。さらに重症になると、結膜に浮腫を生じ、目が見えないほどにまぶたがはれてきます。 - その他の症状
- 皮膚のかゆみ、のどのかゆみ、頭痛、全身倦怠感、睡眠障害 その他、アレルギー反応としては皮膚のかゆみ、のどや気管支のかゆみの他、頭痛や全身倦怠感(だるさ)などが現れます。またそれらの症状のため、中々寝つけず、寝不足といった睡眠障害をも引き起こします。
眼科での花粉症検査
細隙灯顕微鏡検査
細隙灯(さいげきとう)顕微鏡という装置によって眼球を観察する生体検査で、眼科の検査の中では、視力、眼圧、眼底とともに、基本的かつ重要な検査です。検査は、細隙灯というスリットランプからの細い光で眼球の各部を照らし、それを顕微鏡で拡大して見ます。結膜、涙点から角膜、前房、虹彩、瞳孔、水晶体、硝子体などの組織を観察し、肉眼ではわからない眼球内の異常を見つけ出します。
アレルウォッチ
アレルギー反応が起きるとIgEという免疫物質が産生されます。アレルウォッチは涙の中のIgEを測定する検査キットを用いて行います。1分ほど検査用の細い紙を下まぶたにぶらさげた後、検査薬に約10分ほど浸すと涙にIgEが生産されているかどうかが判明します。花粉症かどうかという点では有効ですが、残念ながら、どんな物に対してアレルギーがあるかまでの判定は行えません。この検査の良い点は、採血をしないため痛くないということです。
血液検査
微量の採血にて、一般的な花粉症の原因があるか調べられます。ダニ、ハウスダスト、スギそして他の植物(ヒノキ、ハンノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ) や犬、ネ猫などの動物などのほか、カビ、蛾、ユスリカ、ゴキブリに対するアレルギーの判定が可能です、アレルゲン特定のために行うこともあります。
長後えんどう眼科では、20分でできるアレルギー検査を行っています。
≫検査の詳細はこちらのページをご覧ください。
花粉症の治療法は?
抗アレルギー点眼薬
アレルギー反応は、その原因である様々な抗原がIgE抗体を介してマスト細胞という細胞からヒスタミンなどを放出することが原因で起ります。抗アレルギー剤は、このマスト細胞が物質を出さないように抑制するための薬です。そのため、アレルギーの症状が始まる前から使うとより効果的です。眼科でよく処方される抗アレルギー剤の点眼には、インタール、アレギザール、ザジテン、リザベンなどがあります。
ステロイド点眼薬
以上の治療方法でもかゆみがおさまらない、あるいは角膜に傷ができるなどの症状が強い場合にはステロイド点眼薬を用いての治療を行います。また、アトピー性皮膚炎がある場合にはまぶたもステロイド剤軟膏を使って治療します。 ステロイドは非常に効果的な薬ですが、副作用についても常に注意する必要があります。
免疫抑制剤点眼薬
抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬の治療では安定しない患者さん様に対しては、生活習慣の改善などのアドバイスを行い、免疫抑制剤点眼も組み合わせた治療を行います。
眼軟膏
眼軟膏については点眼薬と異なり馴染みのない方がほとんどかと思います。軟膏だけに患部へ塗って使用するため、一般的に点眼薬よりも長い間効き目を持続させることが出来ます。
また、眼軟膏は普通の軟膏と違い、無菌的に調製しているので目の中(結膜内)に入れても心配いりません。眼軟膏には炎症や痛みを抑制したり、細菌を殺す軟膏などが様々な種類があります。
点鼻薬
おおよそがステロイド系(ステロイドが主成分)のものですが、非ステロイド系については抗ヒスタミン剤が主成分であることほとんどです。点眼薬と同じように鼻に使用します。
内服薬
点眼薬以外にも、抗アレルギー薬の内服での治療も行います。春季カタルが重症化した場合など、ステロイド薬を内服したり、結膜にステロイドの注射を行う場合もあります。